FEM

ところで、学業の方ですが、New York 州立大学に在学中に比べ、ペースが落ちました。多分、気候が陽気なのと年が29才になり、ちょっと粘りがなくなったせいでしょう。

運良く、University of Arizonaには、Prof. Gallagher以外にあと2人の有限要素法で著名な教授がいました。Prof. S . P. Neuman と Prof. Desai です。私は、Prof. Gallagherがコースを教えていなかったので、Prof. S . P. Neuman が教えるGroundwater(地下水)の授業をうけました。地下水で使われる技術は、既に石油発掘が盛んな時に、殆ど研究しつくされていました。石油の埋蔵量を調べるために必要だったからです。

有限要素法は、ここ最近になって地下水に応用されるようになりました。最近といっても1970年代ですが。わたしは、ここで多くの有限要素法の技術を学びました。地下水の流れは、水圧(Hydraulic Head)と土の地下水学的性質によって決まるため、基本的問題は弾性力学より簡単です。つまり、未知数がスカラー(Scalar)であるからである。簡単な分、時間依存や自由水面やSaturated-Unsaturated Flow の解析に力が注がれているのが実情です。

私は、地下水層に真水と塩水層があり、そこからポンプで真水と塩水を同時に吸い上げたとき、真水と塩水のInterfaceがどうなるかを研究しました。これが私の修士論文になりました。この大学では、修士課程の最後に2時間半にも及ぶ口頭試験がありました。小便を我慢したことを覚えています。試験を実施した側(4人の教授)も我慢していたのでしょうね。修士は、1982年の8月に頂きました。
その後1年半ほど、この大学(The University of Arizona)で勉学に励みましたが、私にとって刺激になるテーマは無く、別の大学に行くことにしました。

■ Back to Buffalo, New York ■
運良く、私の友人の誘いで再び以前私がいた大学(The State University of New York at Buffalo)へ戻ることになりました。1983年12月のことでした。Tucson からBuffalo まで、車で行きました。5日かかりました。途中、エルビス プレスリーの墓参りをすませ、リンカーンの生家に立ち寄ってきました。やっぱり、真冬のBuffaloは体にこたえますね。-15度Cになることが、しばしば有ります。

話しを学業に戻しますが、この大学では、流体力学に関する有限要素法を勉強しました。頼りになる教授が居なかったため、かなり図書館へ通いました。 結果、2次元のNavier-Stokes Equations (正確にはNavier-Poisson Equations)を解くアルゴリズムとソフトを開発しました。実験もやりました。実験を裏付ける様な計算が得られました。詳細については、Fluid Dynamicsで紹介します。これを論文にまとめ1987年9月に博士(Ph-D)を頂きました。博士を頂くにあたって、いろいろと助けて頂いた方々には、深くお礼を申し上げます。ご迷惑になるかもしれないので、名前は記載しないことにしました。
有限要素法の他に、境界要素法(BEM)も勉強しました。この方法は、数学による拘束が厳しく、解析に向かない技術分野もあります。しかし、スマートな解析方法ですので、一度、ここを覗いてみてここを覗いてみて下さい。

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