Fluid Dynamics
Second Coefficient of Viscosity

前のセックッションで説明したように、現在流体解析のアップリケーションソフトに使われている殆どの支配方程式には、Stokes の構成式が採用されています。しかし、Stokes の構成式(Constitutive equations)には、第2粘性係数がありません。
この第2粘性係数に関する議論は、1800年代の前半ごろに始まり、今日においても納得できる回答は出されていません。
ここでは、なぜ第2粘性係数が不在なのか、不在だったために今までにどのような苦労を強いられて来たかを説明します。また、divV= nearly zero でも、λdivV はゼロにならないことを、数値計算とλdivVの級数展開を用いて説明します。

■歴史的背景■
第2粘性係数に関する歴史的なイベントを簡単に紹介します。

イベント
1831Poisson により、 τij=2μDijij(λdivV-Ps) のμとλは、独立定数でなければならないとしている。
1845Stokesにより、流体の構成式としてτij=2μDijijP が提案され、現在に至っている。圧力(P)については、P≠Psとしているが、明確な記述は残っていません。さらに、Stokes は、λについて次の様な考察をしている。
τij=2μDijij(λdivV-Ps) からP=-τii/3 を計算するとP=Ps-(2μ/3+λ)divVとなる。非圧縮性流体では、divV=0 であるから、Stokes は(2μ/3+λ)divVもゼロにしても良いのでは、と考えた。結果的に2μ/3+λ=0 から、λ=-2μ/3 を得ている。これをStokes Condition という。これをベースに、 τij=2μDijij(-2μ/3divV-Ps)が一般かされてしまった。
しかし、1851年にStokes は、『-2μ/3 は運動方程式の中において、どうもしっくりこない』と言い残している。[Math. Phys. 3, 136(1851)]。
1866
1868
Stefan とKirchhoff により、λは音源伝播と減衰に関係があることを発表している。
1868Eckart は、Rayleigh のAcoustical Streaming 現象(μによらない流れ)を用いて、ドリフト流速よりλ/μを求める式を提案している。

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