Numerical Method & Algebla
Matrix

有限要素法のプログラムを開発する上で、ベクトル(Vector)、テンソル(Tensor)、マトリックス(Matrix)演算規則の知識は、不可欠です。Vectorは領域の境界面の計算処理に、Tensorは支配方程式(Governing Equation)を立てるときに、Matrixは、支配方程式の離散化(Discretization)のときの使われます。これらは、有限要素法を学ぶ上で、必ず使う道具ですので、納得の行くまで勉強してください。

■Vectorの長さ■
手始めに、Vectorの長さを計算してみよう。下の左図のVectorを、下の右図の式の様に定義します。殆どの数学の本も、これと同じ定義を使っています。Vectorの表示方法として、最初は、文字の上に矢印を書いていました(今でも使っている)。この方法は、印刷技術の乏しい当時としては、大変苦労する表示方法だったそうです。そこで、印刷が簡単な 太文字を使う方法が、考えだされたそうですよ。

さて、Vectorの長さ(L)は、Vectorの内積(Dot Product)で求まります。つまり、L2=V・Vとなる。これを展開すると、次の様になります。

Vectorは、Tensorでも表わすことが出来ます。まず、上図の座標 x, y, z を 下図に示すように、x1, x2, x3 で書き改めます。

次にTensor表示法のルールに従い、Vectorの長さを計算すると、下の様になります。

ここに、添え字の i を Index をいいます。上式の場合、1つの項に同じ添え字が2つ存在しています。ルールでは加算されることになっています。結果がスカラー(Scalar)になります。この場合の添え字の i を、 dummy index といいます。この様に、数式をTensorで書くと、加算を意味するギリシャ文字のΣを省くことができます。つまり、数式をコンパクトに書くことができます。Tensor表示法については、2次元FEMの紹介の時に、もう一度詳しく触れます。

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