Numerical Method & Algebla
Integral-1

有限要素法(FEM)のプログラムでは、1つのジョブで、数値積分を含むモジュールおよびファンクションが、数万回コールされます。特に、支配方程式が時間依存ともなると、その回数は膨大になります。したがって、効率的かつ精度の高い数値積分法が望まれます。

■従来の数値積分法■
学校の教科書でよく現われるのが、台形則とSimpson則です。貴方の記憶では、Simpson則の方が精度が高いと教わったはずです。確かにそうです。

一般に関数f(x)を機械的に積分する場合、まず、全積分範囲を下の図の様な単位に分割します。そして、単位ごとに面積を計算し、それらの合計を計算することにより、全面積が得られます。ここでは、下図に示す様に、2h幅を単位とした面積の計算方法について説明します。

上図で、f(x)が、積分される関数です。図中の x1、x2、x3は、サンプリングポイント(sampling points)と呼ばれています。そして、緑に着色されている部分が、求めようとしている面積です。つまり、下式です。

f(x)が線形だと、台形則による数値解は、厳密解と同じになります。Simpson則では、それ以上の精度をだすことが可能になります。余談ですが、Simpson則は、タンカー(原油輸送船)の体積を求めるために使われていました。当時、船の設計に携わっていた人々を、Simpson屋と呼んでいたそうです。

台形則で着色してある部分の面積を計算すると、次の様になります。

Simpson則で同様に面積を計算すると、次の様になります。

上の式は、Simpson則の中で、最もシンプルで一番よく目にする式です。この場合、f(x)が二次曲線まで数値解は、厳密解と同じになります。

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