Electromagnetics and Ham Radio
Characteristic Impedance 3

■特性インピーダンスの式■

上で紹介した6個の関数を使って特性インピーダンスの式を導いてみます。まず、LとCに対し同じ関数を使った式から話を進めます。一般式は以下になります。

\begin{eqnarray} Z_{0ii}=\sqrt{\frac{L}{C}}=\frac{1}{\pi} \sqrt{\frac{μ_0 μ_r}{ε_0 ε_r} } \sqrt{ (πf_i )(πf_i ) } =\frac{1}{\pi}\sqrt{\frac{μ_0 μ_r}{ε_0 ε_r} }πf_i \end{eqnarray}

上の式で使った定数は下表にまとめておきました。

Item Symbol Value Units
真空の透磁率 μ0 1.25663706212×10-6 [H/m]
真空の誘電率 ε0 8.8541878128×10-12 [F/m]
空気の比透磁率 μr 1.00000037 [無次元]
空気の比誘電率 εr 1.000586 [無次元]
銅の比透磁率 μr 1.0 [無次元]
ポリエチレンの比透磁率 εr 2.3 [無次元]

例えばfiにf3を選択すれば、上式は下のようになります。

\begin{eqnarray} Z_{033}=\frac{1}{\pi} \sqrt{\frac{μ_0 μ_r}{ε_0 ε_r} } \log_e \left( \frac{r}{2}+\sqrt{ \left( \frac{r}{2} \right)^2-1 } \right) \end{eqnarray}

LとCに対し異なる関数を使った場合の一般式は以下になります。

\begin{eqnarray} Z_{0ij}=\frac{1}{\pi} \sqrt{\frac{μ_0 μ_r}{ε_0 ε_r} } \sqrt{ (πf_i )(πf_j ) } \end{eqnarray}

実験においてCは解析とよく一致していました。そして、その実験結果はf3とよく相関がとれていました。 ということでCの関数としてf3を使い、Lに上で紹介した関数をあてることにします。例えば、Lにf2を使えば、特性インピーダンスは以下になります。 前にも言いましたが、スカラーの掛け算ですからLにf3、Cにf2としても同じ結果になります。

\begin{eqnarray} Z_{023}=\frac{1}{\pi} \sqrt{\frac{μ_0 μ_r}{ε_0 ε_r} } \sqrt{ \log_e \left(r+\frac{1}{4} \right) \log_e \left( \frac{r}{2}+\sqrt{ \left( \frac{r}{2} \right)^2-1 } \right) } \end{eqnarray}

電気回路において、ある集中回路素子から分布伝送線路へ、あるいは分布伝送線路から集中回路素子へ電気エネルギーを伝達する場合、 集中回路素子のインピーダンスと分布伝送線路の特性インピーダンスが異なるとエネルギーの一部が反射し、定在波の発生により効率低下、 異常動作、故障の原因となります。
このため、電気エネルギーの伝送のためには接続部においては特性インピーダンスを一致させる必要があり、このような操作はインピーダンス整合と呼ばれています。 アマチュア無線家であれば、いつも行っている当たり前のことです。
交流、特に高周波回路においては回路に挿入されるあらゆる分布伝送線路、集中回路素子、 配線やコネクタに至るまで接続点でのインピーダンス整合の工夫がなされているのは当然のことです。 アマチュア無線で最も気を遣うのがアンテナと同軸ケーブルとの接合部分です。 ここにバランが使われていてインピーダンスと平衡・不平衡整合を担っています。


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