Electromagnetics and Ham Radio
Dielectric-02
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FEM解析の復習■
解析では、2つ導線の表面にそれぞれ電位V=0.5とV=-0.5を与えてラプラス方程式を解き、 計算結果の電束密度ベクトルDを線積分し電荷Qを計算しなければなりません。BEM解析では、D・nが計算されるので、これを線積分し電荷Qを得ていました。 D・nは境界に対して法線方向の値でDnでも表されます。FEMではどのようにすれば電荷Qがえられるかです。
FEMでは要素毎に有限要素式を導き出していました。 手順としてまず、全ての要素の有限要素式をGauss-Legendle法で積分します。そして節点番号に従い積分された有限要素式をアッセンブル作業し1つの連立方程式を導きます。最後に境界条件をその連立方程式に組み込んで解くと各節点での未知数が得られます。 その有限要素式ですが、以下になります。

\begin{eqnarray} \iint_{D}\left[B\right]^T\left[E\right]\left[B\right]dA= -\oint_{S}\left[M\right]^T\left[M\right]\left\{D_{n}\right\}ds \end{eqnarray}

ここに[E]には誘電率が入ります。解析プログラムは非等方性も扱えるようになっているので、プログラムでは等方性にするため以下のように入力します。

\begin{eqnarray} \left[E\right]= \left[\begin{matrix}\ \ \ ε_{r}&0\\0&\ \ \ ε_{r}\\\end{matrix}\right] \end{eqnarray}

上の有限要素式の右辺はGaussの定理から電荷Qになります。つまり、以下が言えます。

\begin{eqnarray} \oint_{S}\left[M\right]^T\left[M\right]\left\{D_{n}\right\}ds=\left\{Q\right\} \end{eqnarray}

右辺の{Q}は節点での電束密度が線積分された結果になります。 つまり、未知数{V}が計算された後、以下を要素毎に再計算すれば導線表面の電荷を得ることができます。

\begin{eqnarray} \iint_{D}\left[B\right]^T\left[E\right]\left[B\right]dA= -\left\{Q\right\} \end{eqnarray}

上式は全ての要素について計算しますが、領域内部の節点ではQ=0になり、境界の節点のみに意味のある数値が入ります。 領域内部の各節点へ入るQは、その節点から出て行くQと同じだからです。 導線表面のQを合計し2倍(計算は領域の半分だから)すれば、BEMと比較できる電荷Qが得られます。


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