Time Derivative and Upwind Method
Time Derivative Term-8

■Crank-Nicolson method の安定性■
最後になりましたが、α=1/2 の Crank-Nicolson method の安定性を考えてみましょう。連立方程式は、次の様になります。

これを、T2について解き、ちょっとアレンジすると、次の様になります。この式は、Explicit method のT2とImplicit method のT2の平均になっていることに気付くと思います。そうすると、安定性も2面性を持つことになりそうです。

この場合も、他の方法と同様に、Δt=0 の場合、 T2(t+Δt) = T2(t) になります。OKです。では、Δt=∞ の場合はどうでしょう。下式の様になります。

見て分かる通り、T2が無限大になることはないが、なんかちょっと変です。チェックするために、T2(t)を下式で与えることにします。つまり、定常解にyを加えた値です。

上式を、その上の式のT2(t)に代入します。すると、結果は、下式の左の様になってしまいます。更に、計算を進めると下式の右の様になります。

この計算を継続しても、T2は定常解に落ち着くことはありません。つまり、解が下図に示す様に振動していることになります。Crank-Nicolson method は、計算精度が高く、安定しているが、むやみに大きいΔt を使うと、解の信頼性を損ねることになります。

この振動を防ぐためには、Δt<L2/k の条件を維持する必要があります。

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