Electromagnetics and Ham Radio
Capacitance28

■キャパシタンスと自己インダクタンスの計算方法の違い■
今回ここで紹介した2次元のキャパシタンスと自己インダクタンスの計算は、同じ解析プログラムを使いました。 それは両者とも解かなければならない式がポアソン方程式だったからです。以下に両者の式の展開で出てきた変数名や法則を列記しておきました。

項目 Capacitanceの計算 Inductanceの計算
PotentialおよびDirichlet型境界条件 電位 V(x) Vecter Potential Az(x)
法則 Gauss's Law Ampere's Law
場(Field) E(x) B(x)
Neumann型の境界条件 Dn=D・n=-ε∂V/∂n B=B・t=-∂Az/∂n
Charge 電荷 Q 電流 I=dQ/dt
場とChargeとの比例関係 ε μ
積分する式 ポアソン方程式 ポアソン方程式

上表を見ると、式の展開での過程は、全く違うのですが、出来上がった方程式と境界条件の式が同じになっています。
これまでは、境界要素法でポアソン方程式を解きキャパシタンスとインダクタンスを導きました。というのも扱った問題の領域が無限だったからです。 しかし、ここでの問題は有限要素法でも解くことができます。 この場合、領域のサイズとPotential値の変化を見て、値が安定した時の領域の大きさが適切なサイズになります。 また、有限要素法は、導線を取り巻く領域に複数の材料(複数の誘電率)が有る場合に有効な解析方法になります。 境界要素法でも複数の誘電率の領域を扱うことができますが、プログラムが有限要素法より複雑になってしまいます。  

■作成したプログラム■
今回ここで取り上げたペア導線のインダクタンスとキャパシタンスを数値的に解くために境界要素法を使いました。 その解析に作成したプログラムを以下にまとめておきました。解析のタイプとして2つ有りました。 それは、領域積分型と境界積分型です。両方とも境界要素法です。

□領域積分型境界要素法

プログラム入力されるファイル出力されるファイル
データ作成用
SET4.FOR
RADIUSはプログラム内で指定
GAPは実行時に入力
DOMAIN.DAT
ELEMENTCG.DAT
SURFACE.DAT
SURFACE.DAT
DPDN.DAT
VECTORCG.DAT
解析用
DOMAIN.FOR
DOMAIN.DAT
DPDN.DAT
DIFFEREN.CEP
AREA.SOL
DPDN.SOL
INTERNAL.SOL
描画用
POSTPROCESS-DOMAIN.FOR
DOMAIN.DAT
VECTORCG.DAT
VECTORB.SOL
VECTORE.SOL
CONTOUR.SOL

□境界積分型境界要素法

プログラム 入力されるファイル 出力されるファイル
データ作成用
SETU.FOR
SETUAZ.FOR
RADIUSはプログラム内で指定
GAPは実行時に入力
BEM1.DAT
BOUNDARY.DAT
解析用
DOMAIN.FOR
BEM1.DAT
DPDN.DAT
BEM.SOL
INTERNAL.SOL
POSTPROC.DAT
描画用
POSTPROCESS-DOMAIN.FOR
BEM1.DAT
POSTPROC.DAT
BOUNDARY.SOL
DELTAP.SOL
VECTORB.SOL
VECTORE.SOL
CONTOUR.SOL

次のページには、近似式のまとめが書いてあります。
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