では、いったい、|T_in|が既知のとき、 |T_out|は、どうすれば計算できるのでしょう。 それには、支配方程式を導かなければなりません。 まず、摩擦面には、法線力と摩擦力が発生していますよね。そこで、上の図から摩擦が生じている部分のみを切り取ってみましょう。下図がそうです。

Δθ角度分のドラムですから、法線力もΔNがベルトとドラムの間に発生していることになります。すると、摩擦力は、法線力の直角方向に働き、そしてそのmagnitudeはμ|ΔN| になります。これは、中学の理科で勉強しました。μは、動摩擦計数です。

ここまでは、よろしいですかね。では、|T+ΔT|　はどの様にすれば計算できるのでしょうか？。それには、接線方向の力のバランスをとります。ベルトは等速ですから、ΣF_t=0ですね。すると、下の式が得られます。ここからは、T=|T|、ΔT=|ΔT|、ΔN=|ΔN|　と置いてあります。

角度Δθは、非常に小さい値なので、cos(Δθ/2)を1と置いても差し支えありませんね。すると、以下の結果が得られますね。