One Dimensional Finite Element Method
A Brief History of the FEM-2

■Virtual Work■
その仮想仕事の原理ですが、方法として3つあります。仕事(スカラー量)は、力 X 移動距離(F・d)です。正確には、力と移動距離の内積です。したがって、仮想仕事には、下表に示すように、仮想移動距離仮想力、それと両者の平均の3つが考えられます。

方 法意 味
Virtual Work力 X 仮想移動距離
Complementary Virtual Work仮想力 X 移動距離
Reissner's Principle上の2方法の平均

したがって、有限要素法にも最低3種類考えられることになります。
Virtual Work-FEMにおいては、変位が未知数であり、応力はその変位をベースに計算されます。変位は、領域内で連続ですが、応力は、要素間において不連続になります。
Complementary Virtual Work-FEMでは、応力が先に求まり、変位は後で計算されます。Reissner Principle-FEMは、上の2つの平均が得られます。
これら以外に、変位と応力両方を連続できるHermite function方法があります。このようにFEMには、幾つかの方法がありますが、市販ソフトのほとんどは、Virtual Work-FEMがベースになっています。そして、応力の不連続性については、ポスト処理でスムージング作業が行われるのが、通常プロセスになっています。

このように、変分法は有限要素法と深い関係にあります。そして、有限要素法は、弾性構造力学の支配方程式(Navier's Equations)を解析するために開発されてきました。さらに、数値解析を行う上での手続きを明確にし、有限要素法を技術者の便利な道具にさせた方法に、Galerkin's Methodがあります。同様な近似解法のテクニックとしてRitz Methodもあります。Ritz Methodは、Mimimum principleから導かれていて、全領域をカバーする近似式を、シリーズ化することで精度を向上させています。何れの方法も、有限要素法に必要な有限要素式を、導きだしてくれています。

■Weighted Residual Method■
これまでの方法は、最小にするが明確になってないと、解きたい有限要素式が導けませんでした。例えば、弾性構造力学では、エネルギーがに匹敵しますが、流体、地下水流では、を見つけずらい。また、 非線形微分方程式では、が分かっていても、式の展開は不可能に近い。したがって、このような場合、変分法のアイデアは、役に立たなくなってしまいます。さらに、科学者や技術者が望むことは、支配方程式が与えられれば、有限要素法で数値解析の出来る手法の出現でした。なぜなら、科学者や技術者にとって支配方程式を導き出すことは、いたって簡単であるからです。

1960年代後半から1970年代前半にかけて、数学者と技術者からWeighted Residual Method(WR法)が提案されました。この方法は、変分法の副産物で、線形・非線形微分方程式に関係無く、有限要素式を導き出すテクニックです。WR法は、変分法で説明した有限要素法とは全く違う手続きで有限要素式を導きますが、線形微分方程式に限って、両者の結果は、同じになります。

WR法の出現で有限要素法は、更にポピュラーになり、数多くの論文と本が出版されました。疑いもなく、現在において有限要素法は、技術解析の道具として定着し、受け入れられています。このインターネットで学ぶ有限要素法でも、WR法を用いて様々な技術問題の解決方法を紹介しています。

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