Torsion
3 Dimensional Torsion Analysis

■3次元弾性解析■
2次元のStress Functionによる計算結果の解析精度を検証するために、3次元の弾性解析を行いました。 シャフトの拘束条件と自由端での力の設定を下図に示します。赤の矢印で示しているのが力の方向で値は1000[N]です。 図に示す破線上でy方向の変位v(x,0,1)を解析結果から抜き取りRate of Twist(θ)を計算します。 材料定数はYoung Modulus=69.×106[Pa], Poisson's Ratio=0.3です。 この場合Shear Modulusは26538461.5384615[Pa]になります

3次元の弾性解析では8-noded-1次ヘキサ要素と27-noded-2次ヘキサ要素でシャフトの要素分割を行っています。 分割数はx方向が20、yとz方向が4です。 下図は27-noded-2次ヘキサ要素を用いた時のFree Endの状況を示します。

赤色の矢印が力を示します。 各力のArm lengthが1[m]ですので、モーメント(M)は合計でM=4000[Nm]になります。
8-noded-1次ヘキサ要素の場合のFree endの状況は以下になります。

解析とポスト処理が終了するとRate of Twist(θ)の結果はファイルANGLE.DATへ書き込火れます。 Angle of Twist(β=xθ)とRate of Twist(θ)は以下で計算しています。

\begin{eqnarray} \beta (x)=arctan\left(\frac{v\left(x,0,1\right)}{1}\right) \end{eqnarray} \begin{eqnarray} Rate\ of\ Twist\left(\theta\right)=\frac{\partial\beta (x)}{\partial x}=\frac{\partial\left(x\theta\right)}{\partial x} \end{eqnarray} 下図に変位v(x,0,1)、Angle of Twist、Arm length(長さ=1)を示します。

先へ進む前に再度Torsionの解析で出てくる定数および未知数を以下にまとめておきました。 使っているシンボルは文献により異なります。

下図は例として2次ヘキサ要素を使って得られた、v(x,0,1) vs. xです。 Saint Venant theoryのところでは、シャフトの長手方向の座標がzでしたが、ここでは座標xを使っています。

そしてAngle of Twist(or Twist)を計算すると以下のTwist vs. x が得られます。

最後に下が Rate of Twist(θ) vs. xのグラフです。 Rate of Twist(θ)は単位長さ当たりのねじれ転角ですから、上のグラフの勾配にあたいします。 右端と左端でθの乱れは有りますが、殆どの領域で一定値に成っています。

計算結果からθ=0.0000670055862315403が得られました。この値は要素数を次第に増やしていって収束した値です。

解析プログラムとデータ作成プログラムおよび描画データ作成プログラムしては、以下を使いました。27-Nodedヘキサ要素で3次元弾性解析を行うと、Globle Stiffness Matrix [K]が大きくなりPCが息をつくようになります。でのその間にコーヒーでも飲んでいると計算は終わります。なんとかしてMulti-CPUで計算できるようにプログラムを改善したいと思います。

用途プログラム名
3次元弾性解析 3DSTATIC8QFXCOMBINE.FOR
8-Nodedヘキサ要素のデータ作成 WEBSS3D08-TORSION-PROBLEM.FOR
27-Nodedヘキサ要素のデータ作成 WEBSS3D27-TORSION-PROBLEM.FOR
描画データ作成 POST3DTAUX-WITH-TORSION-PROBLEM.FOR

計算条件が揃ったので3次元弾性解析ソフトを1次ヘキサ(8節点)と2次ヘキサ要素(27節点)で実行してみました。以下が得られました。 要素分割数は上でも述べましたが、x方向が20、yとz方向が4です。

E [Pa] ν G [Pa] 要素 M[Nm] θ [Radian]
69×1060.326538461.51次ヘキサ40000.000063686
69×1060.326538461.52次ヘキサ40000.000066933

上表を見ると、1次要素の方が2次要素に比べRate of Twist(θ)は小さいですね。 これは1次要素のShear Lockingが影響していると思われる。 今回の解析ではせん断応力のみが発生していますので、Shear Lockingを起こしやすい線形要素を使うとRate of Twist(θ)が小さくでます。
そこでShear Lockingがほぼ無い2次ヘキサ要素(27節点)で分割する要素数を増やして計算を続行してみました。 シャフトの長手方向のX座標方向に要素を増やしてもθに影響しなかったのでNEX=20に固定し、NEYとNEZを2~8の間で計算してみました。 下のグラフは、横軸がシャフト断面の要素数です。縦軸がθです。

NEY(8)×NEZ(8)=64でRate of Twist(θ)は収束しているようです。 そしてRate of Twist(θ)の収束値はθ=0.0000670055862315403でした。 このθは上で紹介した POST3DTAUX-WITH-TORSION-PROBLEM.FOR が計算してくれます。結果はファイル ANGLE.DAT出力されます。このファイルをエクセルに読み込ますと、一番右の列にRATE-OF-TWISTが有ります。 ここを見ると、θ=0.0000670055862315403のなっていることに気付くと思います。 このθとNEX=NEY=10を使ってtorsion9q.forを実行してみました。 1/4モデルでM=999.9 [Nm]でしたので、フルモデル換算でM=3,999.6[Nm]となり、3次元弾性解析の入力値のM=4000[Nm]と整合性がとれています。

3次元弾性解析と2次元Torsion解析との比較ですが、 3次元弾性解析ではShear ModulusとシャフトのFree EndにモーメントM=4000[Nm]を与えることによりRate of Twistθ=0.0000670055862315403が得られました。そして2次元解析ではShear ModulusとRate of Twist(θ)を与えてモーメントM=3999.6[Nm]が算出されました。結果は良く一致しています。

項目 3次元弾性解析 2次元解析
与える数値Shear Modulus, モーメントShear Modulus, Rate of Twist(θ)
得る数値Rate of Twist(θ)モーメント

■3次元弾性解析による反り(Warping)について■
Torsionの理論のところで反り(Warping)について触れました。2次元Torsion解析でこの反りを計算できるかどうかは今後考えるとして、 3次元弾性解析結果からこの反りを拾うことが出来ます。以下は、x=10[m]の位置(シャフトの中央)でx方向の変位u(10,y,z)をエクセルの等高線でプロットした結果です。

このグラフの元データを見るとシャフトの四隅で反りがゼロになっています。また、下図に示す赤色の線上でも反りはゼロになっています。 Theory of Elasticity, Timoshenkoに有る実験結果と一致しています。 この結果は2次元の反り解析でDirichlet型境界条件として使えそうですね。

ちなみにシャフトの壁沿いに反りであるDispalcement u(y,z)をプロットしてみました。赤色の点がシャフト断面の四隅です。反り形状はシャフトの断面の各辺で同じです。理屈通りの結果になっています。

上のグラフの横軸ですが、下図に示す様にシャフト断面の壁沿いを進む路線が座標 s です。一周で8mあります。図の左下の赤丸の点が座標 s の出発点と終着点です。

この結果を用いて、反り解析をBEMで行いたいと考えています。

■3次元弾性解析による応力について■
応力もx=10[m]の位置で描画してみました。これも反りと同様にエクセルの等高線を使いました。以下にτxyとτxzを示します。

図中の赤線で囲った部分は2次元解析ので使った計算領域です。2次元解析と3次元弾性解析の応力は良く一致しています。

これでTorsionに関しての3次元弾性解析は終了です。
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